名優逝く

以前ブログに書いたNHKドラマ「帽子」が昨日再放送されていた。
言うまでもなく、緒形拳さんの死を悼むものであり、
その後、息子さん二人が出演した追悼番組も流れた。
本当に惜しい方であった。


これも以前に書いたが、小学生の時に「木枯らし紋次郎」が流行った。
そして次は「必殺仕掛人」であった。(おそらく裏番組ではなかったか)
必殺仕掛人 上巻
算数の時間にコンパスを使う授業になると、
緒形さん扮する梅安先生を真似て、
コンパスの針をすっと口で滑らせた後、
前の座席に座った生徒の首筋を軽く突く。
もちろん、危険ということで、えらく叱られたが。
あと、おそらくその時期だったと思うが洋酒のCMで
「顔に自信……なし」と言う顔が実にいい顔だった記憶がある。


そして、それ以降、どれだけの緒形作品を見たか分からない。
おそらくテレビ画面や銀幕でもっとも多く見た俳優さんのひとりであろう。
復讐するは我にあり
大河ドラマ「黄金の日々」で演じた、
善人の木下藤吉郎が、一足飛びに出世していくなかで
権力という魔物に取り憑かれ、悪鬼と化していく様。
今更、説明する必要もない「復讐するは我にあり」。
高校生の時、予告編を見ただけでぞっとしたくらいで、
作品を見た後はしばらく言葉が出なかった。
楢山節考」や仕掛人後の「必殺」シリーズなど言い出せばきりがない。


魔界転生
個人的に印象に残っているのは、「魔界転生」と「激突」。
どちらも時代劇で、どちらも千葉真一さんと戦う役だったが
どちらも、まあすごい迫力だった。
とりわけ「魔界転生」は原作も映画も(内容は違っているが)
個人的に大好きで、映画は何度も見返しているが、
死から蘇り、転生衆と化した宮本武蔵役はいつ見ても凄まじい。
特に海岸で巌流島の決闘のごとく、木刀で柳生十兵衛と戦うシーンは圧巻。
将軍家光の乱心 激突


ポール・ニューマンに続いて、とても残念。
合掌。