刑事の現場

昨日書いたのが二十年前の物なら、これはまだ放送中のドラマ。
土曜日の夜、「フルスイング」の後番組。
定年を前にした団塊世代の刑事が若い後輩に、
仕事のやり方をどう伝えていくかがメインテーマのようだが、
それよりも第一話の内容の秀逸さに惹かれて見続けている。
「苦い逮捕」という題名が、言い得て妙。
加害者も被害者も弱者という構図がもの悲しい。
そして、誰も喜ぶ者などいないなかで、
それでも手錠をかけねばならない苦悩がありありと伝わってきた。


第二話では
放火犯を追う若い刑事が公務執行妨害で逮捕した男は、小学生時の担任教師。
その指紋を調べると、未解決殺人事件の現場に残されたものと一致した。
それだけでも引っ張るが、その後の展開はもっと重い。
加害者が被害者に、被害者が加害者になる過程を追っていく。
二つの話を通じて、両者の事情や状況を丁寧に描くことで
どちらも人間であり、親や子がいたりするという当然の事実を再認識させてくれる。


昔、西部警察ではマグナム片手にグラサンの強面だったが、
今は実に渋い味を出す寺尾聰さん。
第二話の原田芳雄さんも、本当に相変わらず格好良くて
二人が対峙するシーンは印象深かった。
若い刑事役の森山さんも、好感もてます。
それと一場面だけの出演だったが、三田和代さんの演技は絶品。


この後の二回も楽しみ。