夕陽のガンマン

先日の「レッド・ブル」に続いて、テレビ放送映画の話。
夕陽のガンマン (ベストヒット・セレクション)
テレビ東京の午後1時半からの映画、
今週はクリント・イーストウッド特集のもよう。
昨日が「荒野の用心棒」、
そして今日が「夕陽のガンマン」。
この映画、もう何回見たか分からない。
とにかく滅茶苦茶大好きな映画。
監督はもちろん、セルジオ・レオ−ネ。
このあと「続・夕陽のガンマン」を撮ると一気にハリウッドへ。
原題というか英語題名は、FOR A FEW DOLLARS MORE。
「あと数ドルの為に」みたいな感じか。


賞金稼ぎ、つまりWANTEDを捕らえる又は殺して、賞金を稼ぐ男の話。
金の為なら人の命など何とも思わない無法集団(山賊みたいなもの)に
多額の懸賞金がかけられる。
これはチャンスと追いかける賞金稼ぎ。
ところがもうひとり年配の賞金稼ぎもいて、同じ連中の首を狙っていた。
共闘するふたりの賞金稼ぎだが、
年配の賞金稼ぎには実は金ではなく別の目的があった……


「荒野の用心棒」と並びマカロニ・ウエスタンの傑作として知られているが、
四十年以上経っても、面白さは全く色あせない。
日本で言えばチャンバラみたいなものだからという人もいるだろうが、
荒野の用心棒 完全版 スペシャル・エディション
それ以上に大きな理由があると思う。
すなわち、主役のふたりがものすげえ格好いいこと。
特にクリント・イーストウッドは何度見ても目を見張る。
映画界の重鎮となり、監督も含めて大活躍中の
現在しか知らない若い人は、絶対見るべき。
ハリー・キャラハンもいいが、ポンチョ姿で現れた途端、うわーっと思うだろう。
若くて、凄腕、しかも常にクール。
アメリカではあまり売れずに、イタリアで西部劇に出演したというが
おかげでこんな素晴らしいキャラが生まれたのだから見る方はありがたい。
もうひとり、昔サントリーオールドのCMにも出ていた
リー・ヴァン・クリーフがまたイイ。
この人も引退同様になっていたのをレオ−ネ監督が出演させたらしい。
こちらはCM同様、渋く、人間味があり、ドラマを背負っていて、
映画を引っ張っていく物語部分の中心人物となっている。
悪役の親分は、ジャン・マリア・ボロンテ。
まあこれぞ悪役という、憎たらしい顔が最高。
凶悪な犯罪者ながらも、時々見せる虚無的な表情が何とも言えない。
ちなみにこの三人は以降スターへの道を歩き始めることになる。
音楽はまだデビューして間もないエンニオ・モリコーネ
その後の活躍は書くまでもない。


監督、出演、音楽、それぞれ後にのぼりつめた人達が、
まだ若い頃の野心的な強いエネルギーを存分に発揮している。
まさに、多数の人の「出世作」となった。


記憶に残るシーンや台詞はいくつもある。
ふたりの賞金稼ぎが深夜の路上で対決するシーン。
ダイナマイトへ葉巻で火をつけた時の若い賞金稼ぎの笑顔。
特にエンディングへと向かうシーンは何度見ても痛快。


ポーカーをしている標的のテーブルへ向かい、一勝負。
負けた相手が青い顔のまま「何を賭けた」
若い賞金稼ぎ一言「Your life」。
次の瞬間、ずどーん。


先に出発していた年配の賞金稼ぎが声をかける。
「何かあったか」
答える若い賞金稼ぎ。
「いや、計算間違いかと思ったけど、ご名算だ」