CMから流れてきた曲

テレビCMからいきなり「ステイン・アライヴ」が流れてきた。
「わっ、懐かしい」と思って画面に見入ってしまった人も多いだろう。
中には勝手に足や腰が動いたり、腕が上がった方もいるのでは。
いわずと知れたビージーズの大ヒット曲であり、
もちろんあの「サタデー・ナイト・フィーバー」の冒頭で流れる曲。


調べたら1978年とあったからちょうど三十年前の映画。
ペンキ屋で働くひとりの若者トニーは、日頃はさえないが
土曜日の夜だけはディスコで仲間とそのうさをはらしていた。
ところが、ある日、ひとりの女性と出会い、その考え方に感銘したトニーは
今の生活を脱却して新しい生活を求めなければと思うようになる……
そんなあらすじだったと思う。


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ダンスシーンはここで書くまでもないが、
個人的には映画の冒頭シーンが気に入っている。
大きな橋と電車が写って、ブルックリンの町へとかわり、
途中ショーケースの中の靴と自分の靴を比べたりしながら
ペンキ缶を持った男の足だけがしばらく歩いていく。
やがていかにもという格好のとっぽい兄ちゃんの全身が現れる。
すれ違った若い女性に声をかけそびれたり、
ピザ屋で店員に先に「トニー、二つそれとも三つ」と聞かれて
(それだけで、馴染みと分かる)
二つ買うと、両手に持って食べながら歩いていく。
更に店で洒落たシャツの取り置きを頼み、五ドル置き、
またすれ違った別の女性に今度は声を掛けるが、相手にされない。
(両方とも一旦すれ違って、一瞬考えるのが面白い)
仕方なく仕事へ走っていくが、
そこへ転がってきたバスケットボール、素早く返球、
相手が「サンクス トニー」。
「ステイン・アライヴ」にのせて流れる三分ほどのシーンだが
これだけで主人公トニーが住む場所や彼の性格、暮らしぶりが
ほぼ分かるようにできている。
お手本のような上手いシナリオだといつも思う。


主演は、もちろんジョン・トラボルタ
「キャリー」などにも出ていたが、これで一気に世界的大スター。
はじめに書いたCMだが、
車から降りてきたのはジョージ・クルーニー……
ちょっと残念。


まあ、トラボルタだと芸が無いか。