ヘヴン
久々に映画のこと。と言っても深夜テレビで見たものですが。
「ヘヴン」。2002年の作品。
場所はイタリア。最初からいきなり緊迫の場面。
主人公のイギリス人女英語教師が、
夫や生徒の命を奪った麻薬売買のボス暗殺の為に
何と相手のいるビルへ爆弾を仕掛けに行く。
ところがちょっとしたことから、爆弾は男を殺めず
全く無関係の、子供を含む四人を吹き飛ばす。
憲兵隊に捕まって、はじめてその事実を知り、
驚き、ショックのあまり倒れてしまう女。
そしてその取り調べの際に、通訳を買って出た新人の憲兵が
そんな女の姿に一目惚れ、何とか力になろうとする……
つかみもいいが、この先の展開がなかなかでした。
少々甘すぎるという意見もあろうが、
ふたりの逃避行は、とてもせつないが、どこか微笑ましい。
特にラストシーンは面白いし、伏線が効いていたと思う。
それとラストもそのひとつだが、
色彩美あふれ、印象的な映像が何度か出てくる。
主演はケイト・ブランシェット。
この人の映画は渋い作品が多い。
今作では丸坊主にまでなっていた。
さすがです。
憲兵役の若者の演技も素晴らしいが、
その父親役の人、ほとんど出番は無いが、絶妙。
台詞もいいのがありました。
「いざという時は、意外な行動にでろ」
「人生の最も重要な場面で、なぜ人はこうも無力なのか」
(両方とも、正確ではありません。大体です。すいません)
前半のサスペンス、後半の道行き、そして美しい映像の贅沢な作品。