首無の如き祟るもの

首無の如き祟るもの (ミステリー・リーグ)

ちょうど一年前くらいに出た本を紹介。
実は読んだのが今年になってからだったが、
読み出すと、おもろいの何のって、一気読み。
その面白さは、まだ鮮明に残っている。


奥多摩のある村で大戦中に起きた悲惨な事故。
そして十年後に起きる連続殺人事件。
それらの死体は全裸で、すべて首が切断されていた。
その村に伝わる恐ろしい伝説と、
村を三分する家々の権力闘争と思惑がからんで、
事件は進行していく。


横溝正史ばりの設定であり、ホラー小説かと思われるかも知れないが
きちんとした、真っ当な本格推理。
殺人、首の切断、全裸死体などを、合理的に解決する手際は実に鮮やか。
特に、戦中に起きた事件が解明された時は、思わず、声が出てました。


全く分からぬ動機や不審な行動理由が明かされる際にも
単に恐怖アイテムとして伝説が出てきたのではなく
きちんとした伏線であったことに脱帽。


その他にも、最後までいろいろと仕掛けがあって楽しめる
実においしい一冊。


いやあ、また出てしまいます。
「こういうのが……」