衣裳戸棚の女
ある方から苦言を頂いた。
一応作家を名乗っているのなら、なぜ本を読まない。
いや、読んでますよ。
じゃ、なぜブログが映画やドラマの話ばかりなのか。
いや、それは……
昔読んだ本でもいいから書け、そうしないとやばいよ。
はい、分かりました。
何がやばいのか分からぬまま、頷いていた。
そんな訳で、今日は戦後最高の密室ミステリーと言われた『衣裳戸棚の女』。
原題はTHE WOMAN IN THE WARDROBE。
五十年以上前の作品であり、何で今頃と思われるかも知れないが、
読んだ作品をただ羅列しても芸がない。
紹介したいと思う本を紹介しようと思った時、最初に浮かんだのがこれ。
作者のピーター・アントニイは双子の兄弟の合作名。
弟のピーターは『アマデウス』、兄のアンソニーは『スルース』の
戯曲を書いたことで有名。『スルース』は最近リメイクされ、現在上映中。
ジュード・ロウと、前作に続いての出演マイケル・ケインが……
いけません、いけません、本の話でした。
ユーモアミステリと言ってよく、最後まで楽しく読める。
しかし事件の謎の解明は、途中何度もひっくり返り、
そして最後に明らかになる真相に、唖然となることは間違いない。
これは、まず、分からないと思う。
何枚か挿入された登場人物のイラストが、微笑ましい。
しかし、こんな傑作を二十代に書いたんだな〜。
いつか、自分も書いてみたいな〜。