フルスイング

NHK土曜ドラマ『フルスイング』が終わった。
昨年の『ハゲタカ』以来、この枠には注目していたが、これはとても良かった。
もっとも『ハゲタカ』とは対照的な直球ドラマ。
実は以前シナリオを勉強していた時期があり、今もドラマはよく見る。
サッカー日韓戦とぶつかったので、今日はわざわざ録画したくらい。
(だから映画とドラマの話が多いのか、本はどうしたとつっこまれそうだ。
もちろん、本も読んでます、はい。)


プロ野球打撃コーチ高畠導宏さん(ドラマでは高林)のお話。
数多くの名選手を育てた男が59才で高校教師になり、
甲子園出場を目標に掲げるが、一年余りでガンの為に亡くなってしまう。
実話に基づいて作られており(原作本もある)、
ドラマの冒頭では小久保選手やサブロー選手らがコメントを寄せていた。

野球と言うよりも、あくまで新人教師の物語であり、周囲が戸惑うなかで、
様々な難題に直面する主人公が、真正面からぶつかっていく姿は美しく、
生徒一人一人を励まして成長させていく過程が個性的で人間的だった。
「夢」「氣力」「本気」「覚悟」などの言葉で生徒を激励し、生き方を説いて、
親身になって、がむしゃらに行動する主人公は他の教師をも変えていく。
「こんな先生に教えてもらった子供は幸せだろうな」とつくづく思う。


こう書くと、
「ベタな話」「熱過ぎる人はどうもな」「今時、流行らない」
なんて思う人もいるかも知れない。確かにそういう風潮かなとも思う。
でも、人生は本来ベタベタに熱くあるべきなのだろうし、
そこに流行り廃りなど存在するはずもない。
ただ、燃えるような意志を持ち続けることは難しい。
それだけに
高畠さんの人生は、羨ましいまでに今も輝いて見える。
それに対して、自分の人生はどうだ?
何度も自問しながら、生き方を考えさせられ、
しかし明日からの勇気もくれる、
そういうドラマだった。